無職転生 23巻 コミック
ちょっと読むのが遅くなってしまったのですが
「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~」の漫画版23巻を読みました。
※この記事は、作品の核心に触れる重大なネタバレを含みます。
未読の方はご注意ください。
原作の小説も読んでいるので、
転移迷宮編のクライマックスで何が起こるのかは知っていました。
そして、発売前から公開されていた「父から息子へ託された、信頼と覚悟」
というキャッチコピーや、
表紙絵の様子から、あぁ、ついに来るのか・・・と予想していましたが
やはり、覚悟していても胸に迫る、非常に切ない内容の巻でした。
転移迷宮編、ついに佳境へ
23巻では、ルーデウスたちが転移迷宮の最深部へと到達し、
母親であるゼニスの救出に挑む場面が描かれています。
長い間、パウロたちが挑み続けてきたこの迷宮の攻略が、
ついに佳境に!
道中で合流したロキシーを含めたパーティーで、
一行は順調に迷宮の守護者がいる部屋へとたどり着きます。
しかし、そこで彼らを待ち受けていたのは、
伝説級の魔物であるヒュドラ。
そして、そのヒュドラに守られるようにして封印されていたゼニスの姿でした。
避けられなかった悲劇
ここから先の展開は、息を呑むしかありません。
ヒュドラとの死闘は熾烈を極めます。
ルーデウスとパウロ、親子二人が連携して戦う姿は胸が熱くなりますが、
相手はあまりにも強大です。
満身創痍になりながらも、ついにルーデウスはヒュドラの全滅に成功します。
しかし、その勝利と引き換えに払った代償は、あまりにも大きなものでした。
最後の瞬間、ヒュドラの攻撃からルーデウスを守るため、パウロが身を挺します。
息子を守り、妻を救い出すという父親としての役目を果たした彼は、
少しニヤリとしながらで静かに息を引き取りました。
このシーンは、漫画で描かれることで、
キャラクターの表情や息遣いがより鮮明に伝わり、
原作を読んで結末を知っていたとしても、改めて深く突き刺さるものがありました。
フジカワユカ先生の画力によって、
パウロの最期の覚悟と、ルーデウスの絶望が痛いほどに伝わってきます。
救いと、新たな絶望
長い旅の目的だったゼニスの救出は果たされました。
しかし、彼女は心を失った状態であり、
パウロという大きな存在も失ってしまいました。
目的を達成したはずのルーデウスの心に残ったのは、達成感ではなく、
埋めようのない喪失感と後悔でした。
この巻の最後は、希望と絶望が入り混じる、
まさに「無職転生」という作品の深さを象徴するような締めくくり方だったと思います。
次に続く巻では、この大きな悲しみを乗り越え、
ルーデウスがどのように立ち直っていくのかが描かれることになるでしょう。
分かってはいても、読むのにはまた覚悟が必要になりそうです。
まだ読んでいない方は、ぜひ手に取って、
この親子の覚悟の物語を見届けてあげてください。
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